2013 年 62 巻 1 号 p. 72-74
小児橈骨頚部骨折は小児の肘関節周辺骨折において比較的稀な骨折である.転位の程度に応じて徒手整復,経皮的整復,観血的整復を行うが,観血的整復は近位橈尺関節癒合や橈骨頭壊死などの重篤な合併症を起こす危険性が高いため,なるべく低侵襲に整復固定を行うべきである.今回我々は2010年から2011年の間に小児橈骨頚部骨折3例に対しintrafocal pinning法による経皮的鋼線刺入固定術を行った.全例,橈骨頭傾斜角度0度の骨癒合が得られ,最終観察時に肘関節・前腕回内外の可動域に腱側との左右差を認める症例はなく,有用な治療法であった.