2013 年 62 巻 3 号 p. 539-542
症例:5歳,女児.母親が脊柱の変形に気づき,加療目的に当科初診となった.単純X線上,第1/2腰椎左側に半椎を認め,Cobb角は32°,後弯角は20°であった.先天性後側弯症の診断で,後方進入単独での半椎切除および椎弓根スクリューによる片側矯正固定術を施行した.術後のCobb角は3°,矯正率90%であり,後弯角も3°と良好な矯正が得られ,手術時間は129分,出血量は25mlであった.術後6か月の現在,明らかな矯正損失は認めておらず,その他の術後合併症も認めていない.半椎を伴った先天性後側弯症において,後方進入単独での半椎摘出および片側のみの矯正固定術は低侵襲で従来法と同等の矯正率が得られることから有用な術式である.