抄録
胸椎症性脊髄症に対して後方固定術を行ったので,その治療成績について検討した.対象は2007年11月から2012年7月に胸椎症性脊髄症に対し後方固定術を行った9例(男性6例,女性3例),手術時平均年齢は65.1歳であった.後縦靭帯骨化症単独,黄色靭帯骨化症単独,椎間板ヘルニア単独の症例は除外した.固定範囲はC7/T1が1例,T6/7が1例,T10/11が3例,T11/12が3例,T11-L3が1例であった.手術方法はinstrumentを用いた後方固定が7例,後方椎体間固定が2例であった.手術時間は平均211分,出血は平均372g.JOAスコアは術前5.7点が術後6.7点と改善を認め,局所後弯角は術前8.5°が術後5.6°と改善を認めた.【まとめ】胸椎症性脊髄症に対し後方固定を行い,良好な成績を得ることができ,症例によっては椎体間固定術が有効であった.