2014 年 63 巻 1 号 p. 115-119
【目的】異なる表面構造や形態の異なる2種類のセメントレスソケットの術後固定性について主に単純X線写真所見で比較検討を行なった.【対象と方法】2010年1月から2011年12月に行った初回人工股関節全置換術症例を対象.時期によりKyocera社Perfix(以下HATi)とZimmer社Trabecular Metal(以下TrM)を使い分け,各々79,40関節を対象とした.固定補強裸子本数,術直後のソケット・骨組織間ギャップ,術後1年までのギャップ変化やソケット周囲に残存した骨硬化像と骨嚢胞像の変化を評価した.【結果と考察】TrM群ではソケット辺縁での術直後ギャップが小さく,補強裸子本数も少なかった.HATi群ではソケット周囲の骨硬化を伴う骨透亮像を認める症例が少なかった.両群とも術後1年までにギャップは減少し,残存した骨硬化像や嚢胞像も消失していく傾向があり,臨床的に明らかな違いは無かった.