整形外科と災害外科
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腱板断裂関節症に対して小径骨頭を用いた人工骨頭置換・腱板修復術を施行した1例
喜友名 翼山口 浩當眞 嗣一森山 朝裕金谷 文則
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2014 年 63 巻 1 号 p. 54-57

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抄録

腱板断裂関節症に対して小径骨頭を用いた人工骨頭置換術および腱板修復術を行い,比較的良好な短期成績が得られたので報告する.73才男性.3年前から左肩関節痛,1年前からは左肩関節可動域制限が出現し,上肢挙上が不能となったため近医を経て当科に紹介された.初診時の左肩関節可動域は屈曲20°,外旋-10°,内旋は臀部以下であった.筋力は徒手筋力検査で内旋は4だったが外旋,屈曲,外転は2であり,日整会肩関節疾患判定基準(以下JOAスコア)は29点であった.単純X線像では骨頭上方化と関節症性変化を認め,MRIでは腱板広範囲断裂を認めた.腱板断裂関節症と診断し,小径骨頭を用いた人工骨頭置換術及び腱板修復術を行った.術後1年で肩関節痛は消失し,農作業に復帰した.左肩関節可動域は屈曲110°,外旋10°,内旋L3となり,左肩関節筋力はMMT外旋3,内旋4,屈曲3,外転3で,JOAスコアは71点に改善した.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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