2014 年 63 巻 3 号 p. 409-412
広範囲長管骨骨欠損に対して,Masquelet法(M法)を用いて良好な治療成績が得られた2症例を経験したので報告する.【症例1】34歳男性.高所から飛び降りて右下腿骨開放骨折(Gustilo II)を受傷.広範囲な骨欠損を認めたがM法とプレート固定を施行.9ヵ月後骨癒合は良好で独歩可能である.【症例2】66歳女性.左大腿骨骨幹部骨折後,不適切な固定により偽関節となり当院に紹介された.M法と髄内釘固定を施行.3ヵ月後骨癒合が認められ,屋内独歩可能である.【考察】M法では1st stageから6~8週後に2nd stageを行うべきとの報告が多い.しかし,induced membraneは1st stage後4週で活性と骨形成マーカーが最大になり,8週後には著しく低下するため2nd stageは4週後に行うべきであるとの新しい報告も見られる.症例2は4週後に2nd stageを行ったが経過良好であり,2nd stageまでの期間は4週間に短縮できる可能性がある.