整形外科と災害外科
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腰椎ダンベル腫瘍として発症したmelanotic schwannomaの1例
後藤 敬子大城 義竹三好 晋爾米嵩 理島袋 孝尚當銘 保則金谷 文則
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2014 年 63 巻 3 号 p. 547-550

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抄録

腰椎ダンベル腫瘍として発症した,極めて稀な腫瘍であるmelanotic schwannomaの1例を経験したので報告する.症例は65歳,男性.脳梗塞後遺症で左片麻痺を認める.7年前より歩行時に右殿部,大腿部痛が出現した.4年前より疼痛が悪化し,杖歩行困難となった.2ヵ月前より歩行不能となったため,近医を受診し,MRIで右L4神経根部にダンベル腫瘍を認めたため,当院へ紹介された.手術はrecapping laminoplastyによる腫瘍摘出術を行った.黒色の腫瘤は右L4神経根腋窩部および椎間孔部に広がり神経根と癒着しており,完全摘出は困難だった.病理診断はmelanotic schwannomaであった.術後1年で,疼痛は消失し,歩行器歩行が可能となり,胸部CTで明らかな肺転移は認めない.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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