整形外科と災害外科
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鎖骨骨髄炎に対して高気圧酸素治療を施行した1例
渡邊 裕介本山 達男田村 裕昭永芳 郁文古江 幸博川嶌 眞之佐々木 聡明尾川 貴洋小杉 健二川嶌 眞人
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2014 年 63 巻 3 号 p. 619-621

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抄録
症例は58歳男性.交通事故にて受傷し近医入院となった.右鎖骨骨折診断にて受傷4日後に鎖骨骨接合術施行されたが,術後感染を発症し創部に瘻孔を認めた.細菌培養からはMRSAが検出されたためVCM投与が行われたが改善せず受傷6週間後で抜釘施行された.抜釘後も病状は改善しないために受傷3カ月後で当院紹介となった.来院時右鎖骨部中央に瘻孔形成と排膿を認めた.単純X線像では偽関節を認めた.抗菌薬を中止とし外来通院にて高気圧酸素治療(2.0気圧で60分)を週に6回の頻度で開始となった.高気圧酸素療法開始1カ月後には瘻孔閉鎖し,3カ月後には十分な仮骨形成が得られた.9カ月後に高気圧酸素治療を終了した.感染の再発は無く,骨癒合が得られ,完全な肩関節可動域を獲得できた.
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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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