整形外科と災害外科
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濃化異骨症に対する骨折治療の経験
松永 経光村松 慶一田口 敏彦
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2014 年 63 巻 3 号 p. 630-533

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抄録

濃化異骨症は非常に稀な骨系統疾患である.低身長,骨硬化,指趾の溶骨性骨欠損,易骨折性等の特徴がある.濃化異骨症患者の大腿骨及び尺骨骨折に対し手術加療行ったので文献的考察を加え報告する.症例は50才女性,自宅で転倒し負傷,X線上左大腿骨骨幹部に横骨折認めた.仮骨形成認め過去の疲労骨折をうかがわせた.身体所見は小人症で指趾は短縮しばち状変形認めた.X線上手指末節骨は溶骨性骨欠損認めた.髄腔が狭くBowingが強いことから径3.5mm Ender釘を用い大腿骨外顆より刺入固定,Backout防止に大転子より径2.4mm Kワイヤーを刺入した.術後1か月で仮骨形成認め部分荷重歩行開始,術後7か月でほぼ骨癒合得られた.約2年後転倒し左手を着き左尺骨骨折受傷,AOsmall LC-DCP plateで骨接合術施行.術後5か月経過するが骨癒合得られていない.髄腔が狭くBowingの強い大腿骨にはEnder釘は有用と考えられる.尺骨に対してはconventionalなプレート固定が望ましいと考えられる.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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