整形外科と災害外科
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多発外傷に合併したMorel-Lavallee lesionの1例
小宮山 敬祐塚本 伸章前 隆男川口 謙一佛坂 俊輔佐々木 宏介竹内 直英加藤 剛松永 大樹
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2014 年 63 巻 4 号 p. 756-759

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抄録

Morel-Lavallee lesion(MLL)は,骨盤周囲の外傷に伴って,剪断力によって生じるデグロービング損傷で頻度は稀である.我々は多発外傷に合併したMLLの1例を経験したので報告する.症例は58歳女性.交通外傷で救急外来に搬送され,外傷初期治療を施行した.入院時より右大腿周囲に広範な皮下血腫があり,同部の挫創から浸出液が持続していた.入院17日目に同部の発赤を認め,血液検査上,炎症反応が上昇し,画像上は被包化された液貯留が散在し感染が疑われた.同日に切開排膿,死腔閉鎖術を施行し,培養結果に基づき,抗生剤を投与した.以後炎症反応は改善し,創癒合も良好であった.再発の所見や感染徴候もなく外来経過観察している.MLLに対する様々な治療法が報告されてきたが,標準的治療法はない.保存加療より外科的介入が有効であるとの報告もあり,MLLを早期に診断し早期外科的治療が重要である.

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© 2014 西日本整形・災害外科学会
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