2015 年 64 巻 1 号 p. 56-58
人口の高齢化,糖尿病患者の増加にて,化膿性脊椎炎が増加しつつある.いざ治療を開始すると全身合併が多く手術不能であったり,非常に治療に困難をきたす.今回われわれは腰椎の硬膜外膿瘍に対してPEDで加療した症例を経験した.症例は69歳,女性.MRI上L2/3レベルに硬膜外膿瘍を認め,右下肢に筋力低下を認めた.局麻下PEDで洗浄・掻把し,その後PPSを用いてL1-4間後方固定術を追加し,CRPは陰性化した.起炎起因は肺炎連鎖球菌であった.PEDで除圧・掻把・起炎菌同定し,病巣部のstability確保のためにPPSにて後方固定術を追加する方法は,低侵襲でかつ安静条件を緩和するために,化膿性脊椎炎に対して有用な方法である.