2015 年 64 巻 3 号 p. 530-533
骨性マレットは小さな骨片であるが伸筋腱が付着し関節運動に重要な部位の骨折である.そのため,不十分な整復や長期の外固定は術後成績不良の一因となることがあり,陳旧例や再骨折では癒合不全や術後運動開始時期の遅延が問題となることがある.今回我々は2007年にTeohらが報告したhook plateを用いた骨性マレットに対する固定法にならって2症例を経験したので報告する.本法は強固な骨片の固定と術後早期の自動運動が可能であり,腱付着部の裂離小骨片を破損する可能性が少なく,骨性マレットに対する固定法の有用な選択肢の1つとなると考えられた.