整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
肘頭骨折,橈骨頭脱臼に上腕骨外顆骨折,尺骨骨塑性変形を伴う小児Monteggia類似損傷の1例
梅﨑 哲矢森 治樹三橋 龍馬山口 洋一朗
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 64 巻 4 号 p. 783-787

詳細
抄録

小児のMonteggia骨折はしばしば遭遇する外傷である.しかしMonteggia骨折に更に肘周辺の骨折を伴うMonteggia類似損傷の報告はこれまでに少ない.今回われわれは観血的治療を行った小児Monteggia類似損傷の1例を経験した.症例は6歳,男児.学校からの帰宅途中に転倒し受傷.近医から同日当院へ紹介受診となり,CTにて肘頭骨折,橈骨頭脱臼,上腕骨外顆骨折を認め翌日に手術施行.術中には尺骨骨塑性変形を確認した.橈骨頭は徒手的に整復可能であり,外顆骨折に対しtension band wiring固定を施行.術後4週から可動域訓練を開始し,術後3ヶ月で骨癒合し抜釘した.術後4ヶ月の時点で肘関節・前腕骨の可動域は正常化し,最終観察時の1年半の時点で症状なく経過は良好である.Monteggia類似損傷は稀な外傷であり,若干の文献的考察を加え報告をする.

著者関連情報
© 2015 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top