整形外科と災害外科
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小児上腕骨顆上骨折
―Posterior Intra-focal Pinnigを用いて治療した21肢の報告―
村岡 辰彦井上 三四郎菊池 直士阿久根 広宣
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2015 年 64 巻 4 号 p. 779-782

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抄録

当科では小児上腕骨顆上骨折のうち,2歳以上,Smith-阿部分類II型以上の骨折を手術適応としている.Posterior Intra-focal Pinnig(以下PIP)で治療した21肢の成績を報告する.平均年齢は5.8歳.骨折型はSmith-阿部分類でII型:5肢,III型:10肢,IV型:6肢であった.画像所見,Flynn臨床評価,合併症,ピン本数,固定法について検討した.術後3か月のBaumann's angleは69度(健側67.3度),Tilting angleは40.4度(健側38.9度),Carrying angleは8.3度(健側10.9度)であった.術後3か月のFlynn臨床評価では,Cosmetic factorでexcellent:15肢,Good:6肢.Functional factorでExcellent:20肢,Good:1肢であった.明らかな術後合併症はなかった.ピンの本数は平均3.1本であった.固定法はPIPにCross pinning追加の症例が14肢,Lateral pinning追加の症例が7肢であった.IV型の6肢はいずれもCross pinningが追加されていたが,II型・III型に関してはCross pinning追加とLateral pinning追加との間に画像所見,臨床所見共に有意差はなかった.PIPは有用な治療法であり,II型・III型に関してはPIPにLateral pinnig追加で良好な成績を得ることができる.

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© 2015 西日本整形・災害外科学会
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