整形外科と災害外科
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腰椎初回術後に下関節突起骨折を来し固定術を行った症例の検討
柳澤 義和野村 裕高野 祐護田中 孝幸有馬 準一
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2016 年 65 巻 1 号 p. 140-141

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抄録

[はじめに]腰椎除圧後の合併症で手術高位の不安定性による神経障害がある.今回腰椎除圧術後に同部位で経椎間孔的腰椎椎体間固定術(TLIF)を行った症例について検討した.[対象と方法]2011年4月から2014年12月まで腰椎除圧術後にTLIFを施行した4例.調査項目として,(1)発生率(2)高位(3)初回手術からTLIFまで要した期間(4)原因(5)腰椎アライメント変化(6)JOA変化について検討した.[結果](1)は2.4%であった.(2)はL2/3:1例,L3/4:2例,L4/5:1例であった.(3)は平均67.8週で,(4)は片側下関節突起骨折例:3例,再手術後両側下関節突起骨折例:1例であった.(5)は初回cobb角8.0度から術直前に13.0度に増悪し,最終経過観察期間では13.0度のままであった.(6)は術前9.8点,最終経過観察時点18.3点と改善していた.[考察]局所アライメントとJOAスコアも改善したが,全体のアライメントは変化なく,将来的な隣接の椎間孔障害やアライメント不良による慢性腰痛による再手術が懸念された.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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