整形外科と災害外科
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ポリオ後遺症による重度内反尖足に対し一期的に矯正固定術を行った1例
木村 岳弘諸岡 孝明原田 洋橋本 卓増田 祥男諸岡 正明
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2016 年 65 巻 3 号 p. 485-488

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抄録
ポリオ後遺症に伴い強直変形した重度内反尖足に対して,一期的に変形を矯正し,全足関節固定術を行った1例を経験したので報告する.症例は67歳男性.幼少時にポリオを発症し,麻痺性内反足を合併した.後方解離術による矯正を受けたが再発し,成人になり徐々に内反尖足変形が進行し足背歩行となり,足趾に潰瘍を形成するようになったため当院を受診した.足関節は内反20度,底屈110度で強直していた.変形が強く装具使用は困難と考え,一期的に矯正固定術を行った.手術は,はじめに後方の軟部組織解離を行い,続いてLorthioir-神中法に準じて距骨を摘出し,足関節を底背屈0度に矯正後,摘出した距骨を移植し創外固定を行った.ただし原法と異なり,距骨は海綿骨をチップ状に作成して移植した.術後に皮膚障害および知覚鈍麻を認めたが徐々に改善した.術後4年現在,骨癒合が得られ,痛みなく足底接地で荷重歩行可能となっている.
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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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