2016 年 65 巻 3 号 p. 489-492
【症例】54歳女性.1年前より誘因無く右足関節痛が出現し,画像検査で右踵骨の異常陰影を認めたため当科を紹介受診となった.血液検査では,CRPは陰性で,X線検査にて踵骨の距骨下関節近傍に骨透亮像を認め,関節面の不整像がみられた.造影MRI検査では同部にT1 low,T2 high,周囲に造影効果を認めた.診断確定のため切開生検を施行し,乾酪性壊死を伴う肉芽腫を認め,PCR検査でM. tuberculosisが陽性であり,結核性骨髄炎と診断した.胸部CTでは,結核を疑う病変は認めなかった.抗結核薬を6ヶ月間投与し感染は鎮静化した.その後右距踵関節症による疼痛に対して固定術を行い疼痛および感染の再燃なく経過良好である.