2016 年 65 巻 3 号 p. 505-508
全人工肩関節置換術(以下,TSA)は,変形肩関節やリウマチ性肩関節症に対して行われ,人工骨頭置換術と比較して良好な成績が報告されている.TSA術後に見られるglenoid componentと骨との間の早期radiolucent zoneの発生率は25~70%前後と報告されている.この透過像の範囲が拡大すれば関節窩コンポーネントのルースニングが進展すると考えられる.よって,この早期radiolucent zoneの発生率を低下させる目的でセンターポストがポーラスチタン合金製となっているものが開発された.今回我々はBIOME社製comprehensive shoulder systemを用いた症例を経験したので報告する.