整形外科と災害外科
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経皮的椎弓根スクリュー導入初期の刺入精度の検討
田畑 聖吾中野 哲雄越智 龍弥山内 達朗稲葉 大輔安岡 寛理中原 潤之輔福間 裕子
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2016 年 65 巻 3 号 p. 545-547

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抄録

【背景】最少侵襲脊椎安定術は経皮的椎弓根スクリュー(PPS)の発展により進歩したが,PPSにはlearning curveが存在する.【目的】PPS導入初期の刺入精度および安全性を検討すること.【方法】対象は2014年5月から2015年7月までにPPSを用いた11例(65本)である.腰椎変性すべり症3例,ASHに伴う椎体骨折3例,腰椎破裂骨折3例,椎体骨折後麻痺2例である.術後CTでMobbs Raley法でPPSを評価した.【結果】ガイドワイヤーによる合併症は認めなかった.PPSの誤刺入は3本(4.6%)でGrade1が1本,Grade2が2本であった.逸脱による神経,血管損傷はなかった.逸脱したPPSは右のTh10,Th12,L1であった.【考察】PPSは従来法より刺入点が外側となるため強斜位での刺入が必要なり外側への逸脱が多い.特に横突起基部が椎弓根外縁の外側に位置する症例では刺入点がより外側になるため術前の計測に基づいた十分な刺入角度が必要である.【結論】PPS導入初期の刺入精度は95.4%で安全に刺入でき合併症は認めなかった.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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