整形外科と災害外科
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Ankylosing spinal disordersに伴う椎体骨折6例の診断過程に関する検討
甲斐 一広増田 圭吾櫻木 高秀富永 冬樹北村 貴弘仙波 英之生田 光志田原 哲
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2016 年 65 巻 3 号 p. 557-560

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抄録

【はじめに】Ankylosing spinal disorders(以下ASD)に伴う椎体骨折は不安定型骨折であることが多い.また,診断の遅れが遅発性麻痺を招くこともある.【目的】ASDに伴う椎体骨折の診断過程について検討すること.【対象と方法】2009年から2015年に本骨折と診断した6例(DISH5例,AS1例)を対象とした.平均年齢は76.8歳(68―87歳).受傷機転,初診の医療機関,医療機関への移動手段,神経障害の有無,受傷から当科紹介・手術までの期間を調査した.【結果】受傷機転は交通事故が2例,転落が3例,転倒が1例.初診の医療機関は開業医2例,当院含め市中病院4例であり,開業医は徒歩,市中病院は救急車で来院していた.神経障害は2例に認めた.初診が開業医である症例の受傷から当科紹介・手術までの期間は非常に長かった.【まとめ】ASDに伴う椎体骨折は不安定型骨折であることが多いことを認識し,ASD例では症状が軽微であっても,可能な限りCT,MRIを撮影することが正確な診断には必要と考えられた.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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