整形外科と災害外科
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当院におけるデノスマブの使用成績調査
高山 剛嶋崎 貴文松浦 恵里子中島 武馬松村 陽介
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2016 年 65 巻 3 号 p. 581-584

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抄録

新規骨粗鬆症治療薬であるデノスマブの短中期成績を調査した.H25年7月~H27年1月に当院にてデノスマブを投与し半年以上経過した149例(男性2名,女性147名,平均年齢80歳)を対象とし,投与後6,12,18か月時の治療継続率,投与前に比した骨代謝マーカー,骨密度(橈骨DXA)の変化,有害事象の有無を調査した.6,12,18か月後にデノスマブ継続可能であったのはそれぞれ90,83,80%であった.骨代謝マーカーであるALP,P1NP,TRACP-5bは6,12,18か月後のいずれの時点においても投与前より有意に減少していた.6,12,18か月後の骨密度変化率はそれぞれ1.3,1.0,1.7%であり,投与前に比し有意に増加していた.有害事象として投与後1週時の低Ca血症(血清Ca8.4mg/dl未満)が147例中18例,12.2%にみられた.橈骨DXAで骨密度上昇が確認できる治療薬は限定されるが強力な骨吸収阻害剤である本剤ではその効果を微小ながらも検出可能であった.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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