外来通院患者370例を対象に変形性膝関節症(膝OA)と骨粗鬆症の関連性を調査するとともに,膝OAの骨代謝についても検討した.症例をKellgren-Lawrence分類により4群に分類,各群の骨密度(腰椎,大腿骨頸部YAM%)と骨代謝マーカー(TRACP-5b,P1NP)を比較検討した.また,骨代謝マーカーとJKOM(QOL)との相関も調査した.結果は膝OAのXP重症度が進行すれば,骨密度は腰椎,大腿骨頸部ともに増加しており,これは膝OA重症例ほど肥満が多いことが原因と思われた.一方,膝OAのXP重症度が進行すれば,TRACP-5b,P1NPともに亢進する傾向にあり,これは軟骨下の骨髄病変により生じたと思われた.また,骨代謝マーカーとJKOMには弱いが相関が認められた.骨髄病変は変形性関節症の進行や症状と深く関わっている.