2016 年 65 巻 3 号 p. 591-594
骨粗鬆症性脊椎椎体骨折に対して,Balloon Kyphoplastyを施行し,1年以上経過した症例の治療成績を検討した.症例は19例19椎体で,平均年齢は82.5歳.平均経過観察期間は術後15か月であった.検討項目は,他覚的評価として術後6か月と最終診察日の単純X線座位/仰臥位での治療椎体におけるセメント周囲のクレフト像の有無と不安定性.自覚的評価として日本語版EQ-5Dを用いたQOLアンケート調査をおこなった.術後6か月では,12例(63%)にクレフト像が認められたが,最終診察日では5例(26%)に認めるだけであった.QOL評価においては,最終診察日の時点で約90%の症例は日常生活が自立できていたが,健康高齢者の報告と比較すると,移動・疼痛の項目でやや劣っていた.