2016 年 65 巻 3 号 p. 588-590
整形外科外来患者でAWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)の判定基準によるサルコペニアの有病率を調査するとともに,骨粗鬆症,体脂肪率との関連について検討した.(対象・方法)AWGSの評価基準となる歩行速度,握力,DXAによる筋量測定を行っていた外来通院患者233例.AWGSの評価基準によりサルコペニアの有無を判定.大腿骨頸部の骨密度(YAM%),BMI,体脂肪率との関連を調査した.(結果)サルコペニアの有病率は18.0%(男34.8%,女16.2%)であった.骨粗鬆症合併の割合はサルコペニア群66.7%,非サルコペニア群44.5%であった.症例をサルコペニアと骨粗鬆症の有無により4群に分け,BMIと体脂肪率を比較すると,サルコペニアあり・骨粗鬆症あり群はBMI20.7±2.6,体脂肪率30.0±7.4%と有意に痩身,低脂肪で,栄養状態の問題が考えられた.