整形外科と災害外科
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骨巨細胞腫2例に対するDenosumabを用いた治療経験
戸田 雅帖佐 悦男坂本 武郎関本 朝久渡邊 信二濱田 浩朗池尻 洋史中村 嘉宏舩元 太郎日吉 優川野 啓介齋藤 由希子
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2016 年 65 巻 4 号 p. 655-657

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抄録

【はじめに】Denosumabは骨巨細胞腫(GCT)に対して近年承認された治療薬であり,良好な治療成績が報告されている.今回当院でdenosumab投与を行ったGCT 2例について報告する.【症例1】46歳男性.左腸骨GCTと診断.TEA施行後,en bloc切除を行い,切除骨片の腫瘍掻爬と液体窒素処理を行った.術後1年の単純X線から骨巨細胞腫の再発を認めた.Denosumab使用開始し,以降観察で骨溶解の進行は認められないが骨形成も認めない.【症例2】26歳男性.右坐骨GCTと診断.Denosumab使用開始し,以降骨融解による消失した坐骨部の著明な骨形成を認めている.【考察】切除不能なGCTに対する治療戦略として,近年承認されたdenosumabは腫瘍サイズダウンや骨形成,遠隔転移巣への効果を示すが,使用中止によるGCT再発や長期使用の安全性の不確立などから長期観察が必要である.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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