整形外科と災害外科
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胸骨骨折後偽関節の1例
蒲地 康人岡崎 慎吾中江 一朗中川 愛梨川﨑 優二秋吉 寿吉田 史郎仲摩 憲次郎白濵 正博志波 直人
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2016 年 65 巻 4 号 p. 761-764

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抄録

【背景】胸骨骨折に対して保存的治療が行われたが,強い疼痛を伴う偽関節となったため手術を行った症例を経験したので報告する.【症例】54歳,男性.交通外傷にて胸骨骨折をきたした.多発肋骨骨折を認めていたが,呼吸状態も安定しており,バストバンドを用いた外固定を行った.受傷後8ヶ月経っても強い疼痛と転位を伴う胸骨骨折後の偽関節を認めたため手術を施行した.手術はロッキングプレートと自家骨移植を併用し,術後3ヶ月で疼痛は軽減し骨癒合を認めた.【考察】胸骨骨折のほとんどの症例が保存的治療にて治癒するが,転位が大きく整復困難な症例や偽関節に対しては,観血的固定術が考慮され,ロッキングプレートと自家骨移植を併用した手術が有用である.【まとめ】胸骨偽関節に対して,ロッキングプレートと自家骨移植を併用した手術は有用である.

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© 2016 西日本整形・災害外科学会
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