2017 年 66 巻 1 号 p. 189-191
骨粗鬆症性椎体骨折の保存療法において,ジュエットコルセットのポリカーボネイト支柱幅の違いによる治療成績を比較検討することを目的に研究を行った.対象は骨粗鬆症性椎体骨折(T11-L2)を受傷し,3ヶ月以上単純X線による評価を行えた65歳以上の女性患者とした.N群(支柱幅30mm)は38例,平均80.6歳,B群(支柱幅40mm)は28例,平均79.6歳であった.それぞれの治療群の初診時から最終観察時の立位楔状角悪化度,立位局所後彎角悪化度,骨癒合率について検討した.立位楔状角悪化度はN群4.0°,B群3.8°,立位局所後彎角悪化度はN群5.8°,B群4.7°,骨癒合率はN群76%,B群86%でいずれも有意差は認めなかった.B群の方が立位局所後彎角の悪化の進行が少なく骨癒合率が高い傾向にあった.ポリカーボネイト支柱の装着感の良さを先行報告したが,B群は装着感の良さと骨癒合率の高さが期待できる装具といえる.