整形外科と災害外科
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Bosworth型足関節脱臼骨折の1例
石渕 晃人石倉 透横井 脩古子 剛福原 志東有田 忍赤星 正二郎馬場 賢治沖本 信和
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2017 年 66 巻 2 号 p. 227-230

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抄録

Bosworth型足関節脱臼骨折は腓骨の近位骨片が腓骨切痕から後方に逸脱し,脛骨後面に固定された稀な外傷である.我々は当外傷を経験したので,特に受傷機転の点から若干の考察を踏まえ報告する.症例は41歳女性.ぬれた地面に足を取られ,外旋ストレスが加わり転倒受傷.近医受診し,足関節脱臼骨折の診断で当院へ紹介.単純X線およびCTにて,Bosworth型足関節脱臼骨折と診断した.受傷当日に徒手整復を試みたが不能であったため,観血的整復と創外固定を行った.受傷後7日目に内固定術を施行.内固定5週後に脛腓間スクリューを抜去し,荷重を開始,9週で全荷重となり,独歩退院となった.術後8ヶ月の最終観察時,足関節可動域に左右差なく,経過良好である.当外傷は単純X線でLauge-Hansen分類のSupination-External Rotation(SER)型と酷似し見誤られやすい.正しい診断にはCTが有用である.受傷機転はSERと報告した文献もあるが,本症例の受傷機転は,患者の訴えや過去の報告例を鑑みて,足関節が固定された状態での強い外旋力であると考えた.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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