整形外科と災害外科
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大腿骨転子部骨折術後破綻例に対し人工関節を行った7例
佐久間 大輔眞田 雅人俵積田 裕紀本木下 亮高野 純前田 昌隆東郷 泰久小倉 雅
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2017 年 66 巻 2 号 p. 286-288

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抄録

今回,大腿骨転子部骨折術後破綻例に対し再手術を行った7例について検討したので報告する.2010年から2016年までに当院で経験した7例を対象とした.全例女性で,年齢は平均81歳だった.初回手術はcompression hip screwが4例,short femoral nailが3例,破綻理由は,骨頭壊死が3例,早期のcut outが1例,偽関節が3例だった.初回手術から再手術までの期間は平均28か月だった.検討項目は,手術時間,術中出血量,使用機種,術中術後合併症とした.手術時間は平均175分,術中出血量は平均710 mlであった.使用機種は人工骨頭4例,人工股関節3例であり,術中骨折2例,術後脱臼1例に認めた.大腿骨転子部骨折術後破綻例に対する人工関節手術は,インプラントの存在や骨脆弱性,解剖学的破綻のため難易度が高く,手術侵襲が大きくなる傾向にある.このためCT画像を用いた綿密な術前計画が重要になる.それに伴い,使用機種に関しては各症例に応じて選択する必要がある.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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