整形外科と災害外科
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骨折部に人工物が介在していた鎖骨偽関節の1例
櫻井 真柴田 陽三秋吉 祐一郎野村 智洋西野 剛史戸田 慎山崎 裕太郎野村 耕平伊﨑 輝昌篠田 毅三宅 智
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2017 年 66 巻 2 号 p. 322-325

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抄録

症例は40歳,男性.主訴は左鎖骨部痛.バイク走行中に転倒し受傷.某医受診し単純X線写真・CTにて鎖骨骨折および肩甲骨関節窩骨折を指摘された.鎖骨骨折は転位が少ないため保存的加療となったが,関節窩骨折は転位が大きいため受傷後6日目に関節鏡視下に骨接合術を施行された.関節窩骨折は骨癒合したが鎖骨が偽関節となったため当院紹介となり,受傷後8ヵ月目に偽関節手術を施行した.手術創を延長するように皮切を加え骨折部を展開すると,偽関節部に人工血管様の人工物が介在していた.この人工物が偽関節の原因と考えられた.術中前医に連絡し骨接合時,人工物は使用されていない事を確認した.介在物を摘出後に腸骨移植を併用してプレート固定を行った.術後に本人に尋ねると,20数年前に肩鎖関節脱臼を生じ,その際,人工血管を用いた固定術を受けていたとのことであった.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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