整形外科と災害外科
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鏡視下治療を行った鎖骨遠位端骨融解症の1例
坂本 圭井手 淳二唐杉 樹徳永 琢也水田 博志
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2017 年 66 巻 2 号 p. 326-328

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抄録

稀な鎖骨遠位端骨融解症の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例:30歳,男性.主訴:左肩痛.現病歴:約10 kgの荷物の積み降ろし作業を左手で行っていた.3ヵ月前より左肩痛が出現したため,近医でMRI検査施行し,肩鎖関節に異常陰影を認め,ステロイド注射を1回施行,数日効果あったものの疼痛が再燃したため当科紹介となった.現症:左肩鎖関節に軽度の腫脹と圧痛・運動痛を認めたが発赤はなく,JOA scoreは72点であった.血液検査所見:CRPは陰性であった.画像所見:単純X線で左肩鎖関節の関節裂隙拡大と鎖骨遠位端の骨融解像を認め,MRIで左肩鎖関節内,左鎖骨遠位端に高信号域を認めた.以上より左鎖骨遠位端骨融解症と診断し,鏡視下に鎖骨遠位端切除術を施行した.病理所見は,鎖骨遠位端骨融解症に矛盾しない所見であった.術後,左肩痛は消失しJOA score 98点と改善した.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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