整形外科と災害外科
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上腕骨近位端骨折後の偽関節に対してMODE Proimal Humeral Plate®が有用であった2症例
荒木 貴士古市 格井上 拓馬小河 賢司桑野 洋輔新見 龍士水田 和孝
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2017 年 66 巻 2 号 p. 332-336

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抄録

MODE Proximal Humeral Plate®(以下PHP)は,近位に9~10本のscrewが挿入でき,infero-medial screwを腋窩神経より遠位側から骨頭頚部内側へ挿入できるのが特徴で,上腕骨近位端骨折に対し強固な初期固定性が得られると報告されている.上腕骨近位端骨折後の偽関節に,PHPを用いた2症例を報告する.【症例1】83歳,男性,転倒.左上腕骨近位端骨折(Neer分類3 part骨折)に対してPHILOS Plateで骨接合術.術後3ヶ月でscrewの骨頭内穿破と偽関節を認め,PHPと自家骨併用し偽関節手術を行った.再手術後9ヶ月で矯正損失もなく骨癒合し,肩関節挙上140度と可動域も得られている.【症例2】82歳,女性,転倒.右上腕骨近位端骨折(Neer分類3 part骨折)で他院にて保存的加療となるも,偽関節のため紹介.受傷後3ヶ月でPHPと自家骨+人工骨併用し偽関節手術.術後10ヶ月で肩関節挙上85度とやや拘縮あるも矯正損失なく骨癒合.【考察】PHPは,上腕骨近位端骨折後の偽関節に対しても,強固な固定性があることが示唆された.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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