整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
Bertolotti症候群に対し横突起切除術を施行した2例
赤瀬 広弥吉岩 豊三宮崎 正志野谷 尚樹石原 俊信津村 弘
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 66 巻 2 号 p. 362-366

詳細
抄録

【はじめに】Bertolotti症候群は1917年にBertolottiが提言した最尾側腰椎の肥大した横突起と仙骨間に関節を形成し,腰痛を生じる症候群である.今回,Bertolotti症候群に対し横突起切除術を施行した2例を経験したので報告する.【症例】28歳女性と64歳女性.いずれも保存的治療に抵抗性の腰痛があり,単純X線,CTでは片側性に横突起と仙骨翼での関節形成が見られた.両症例とも横突起直上より侵入し,横突起切除術を施行した.1例目では,横突起基部から関節突起間部にかけての視認性が不良であり,横突起基部の切除に難渋した.2例目では顕微鏡を使用し,L5神経根に対して,より愛護的に施行し得た.いずれも術後,症状改善を認めた.【考察】手術的治療には横突起切除術と固定術があり,いずれも良好な成績が報告されている.われわれの症例では,横突起切除術を施行し,症状の改善を認めた.横突起基部の切除には,L5神経根が近接するため慎重を要するが,愛護的な処置のために顕微鏡が有用であった.

著者関連情報
© 2017 西日本整形・災害外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top