整形外科と災害外科
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後方アプローチでの人工股関節置換術の皮膚縫合方法の検討
北島 将河野 俊介園畑 素樹馬渡 正明
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2017 年 66 巻 3 号 p. 456-459

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抄録

【目的】人工股関節置換術の皮膚縫合の方法による皮膚症状の違いと感染率を調査すること.【対象・方法】当院で人工股関節置換術を施行した76名82関節を対象とした.平均年齢71才(52~89才),男性11名,女性65名.平均経過観察期間は2.1年(0.2~6.0年)であった.縫合は3種類の方法で行っていた.方法1は,抗菌吸収糸とstaple固定,27関節.方法2は,抗菌吸収糸とテープ固定,35関節.方法3は,抗菌作用がない吸収糸とテープ固定,20関節.外来受診時に,掻痒感,肥厚性瘢痕の有無や性状,感染率を調査した.【結果】掻痒感(ときどき痒いを含む)があった症例は,縫合方法別では,19%,20%,40%であり,全体の20%に認めた.肥厚性瘢痕率は,それぞれ11%,13%,30%で,全体の15%であった.創の幅の平均はそれぞれ,2.4mm,2.7mm,2.7mmであった.感染率には差は認めなかった.【考察】縫合方法により感染率に差は認めなかったが,掻痒感と肥厚性瘢痕で差を認めた.

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© 2017 西日本整形・災害外科学会
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