2017 年 66 巻 3 号 p. 557-558
症例は75歳女性.交差点での交通事故(軽乗用車運転中,10トントラックと衝突,エアバック作動)にて受傷.レントゲンでショパール関節脱臼骨折と診断し,徒手整復を行った.整復後のCTでは,距骨後方突起骨折と舟状骨内側骨折を認めた.また,距踵関節の亜脱臼が残存していたため,受傷1週間後に距舟関節,距踵関節,踵立方関節に対して,経皮的鋼線刺入固定術を施行した.術後1年経過しているが,歩行時痛もなく,経過は良好である.受傷機転として,右足の後足部が固定された状態で,前足部が内転し,捻転が強制され受傷したものと考えられる.ショパール関節は体重を支えるため強固な関節だが,一旦関節の破綻が起きると亜脱臼が残存し,関節症性変化を惹起して歩行時痛が起こる事があるため,レントゲンだけではなくCTまで評価し,手術を検討する必要がある.