2017 年 66 巻 3 号 p. 654-656
【はじめに】人工股関節全置換術(total hip arthroplasty: THA)および人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty: TKA)を行った関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)患者の患者背景を調査した.【方法】2000~2015年にRAに対し初回THAおよびTKAを行った245例357関節の手術件数の推移,患者背景を調査した.2000~2007年を前期群,2008~2015年を後期群とし比較検討した.【結果】下肢人工関節手術の中でRAに対する手術は全体の3.7%であり,前期群4.5%,後期群3.1%と減少していた.RAに対するTHAは1.5%であり2.1%から1.1%へ減少,RAに対するTKAは9.5%であり12.6%から7.8%へ減少していた.THA,TKAともに手術時平均年齢は高齢化,薬物治療内容も変化し,関節破壊は軽度となっていた.【結論】大関節の手術件数は減少,対象患者は高齢化する傾向にあり,RAに対する薬物治療内容の急速な進歩に伴うものと考えられた.