整形外科と災害外科
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側胸部痛を主訴とした胸椎病変の3例:肋骨2方向では診断が難しい
井上 三四郎吉田 裕俊幸 博和
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キーワード: 疼痛, 側胸部, 脊椎
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2018 年 67 巻 3 号 p. 433-436

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抄録

抄録【症例】(症例1)87歳女性.大根を干した後から左側胸部痛と背部痛が出現した.近医で肋骨骨折や機能性ディスペプシアと診断された.疼痛継続し当院紹介となった.主訴は左側胸部痛であり,背部痛は殆ど訴えなかった.第9胸椎椎体骨折と診断した.(症例2)10歳男児.1ヵ月前より特に誘因なく右側胸部痛が出現,内科疾患も疑われ当院紹介となった.骨腫瘍による病的骨折と診断した.(症例3)51歳男性.1年前から軽い背部痛あり.1ヵ月前より右側胸部痛としびれが出現し,当院受診した.主訴は右側胸部痛であり,背部痛の訴えは殆どなかった.胸椎後縦靭帯骨化症および黄色靭帯骨化症と診断した.【考察】通常胸椎病変は背部痛を引き起こすが,時に側胸部痛をきたす.その場合肋骨2方向がオーダーされることが多いが,胸椎病変と診断することは困難である.別に胸椎側面像を追加すると良い.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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