整形外科と災害外科
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TKA後のひざまづき動作への工夫
松下 任彦橋本 伸朗福元 哲也前田 智中馬 東彦平井 奉博松原 秀太吉村 直人
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2018 年 67 巻 3 号 p. 482-485

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抄録

ひざまづきは起居動作(和式の生活)には必須である.しかし,TKA後に痛みはとれたが膝がつけないといった訴えを聞くことがあり,その原因は皮膚切開に関連していると思われる.そこで同動作に対しての膝蓋前外側弓状縦皮切の有効性を検討した.同皮切を用いたTKAを施行し,3カ月以上経過した108膝を対象にひざまづき動作テストを行った.105膝(97.2%)で同動作が可能であったが,不可能であった3膝ではいずれも結果的に脛骨粗面が皮切の外側に位置していた.皮切および知覚障害が荷重の中心にこないことをひざまづき動作が可能になる理由とした報告があり,本調査においてもそれを示唆する結果であった.同皮切はひざまづき動作に対して有効であると考えられ,皮切の位置と神経障害の低減が要因であると思われた.また,その他にも皮膚血行や瘢痕組織に関しての利点があると考えられた.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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