2018 年 67 巻 3 号 p. 616-619
[はじめに]軟部肉腫の化学療法はアドリアマイシンを中心に行なわれる事が多いが,外来での施行が困難であった.2016年2月より我国でも進行軟部肉腫に対してエリブリンが使用出来る様になり,外来化学療法が可能となった.[症例]当科に於いて現在までにエリブリンによる外来化学療法を3症例に行なった.症例は,初診時25歳女性,胞巣状軟部肉腫肺転移,肝転移の症例,51歳男性,後腹膜脱分化脂肪肉腫肺転移の症例と59歳女性,血管肉腫術後胸壁再発の症例であった.初回は入院して投与を行なったが,重篤な副作用は無く第2サイクルから外来にて治療を行なった.骨髄抑制を各コースのDay15にみとめる事があり,G-CSF投与を行なった.手の痺れを訴える事が多いが重篤な副作用は無く外来にて治療継続可能である.[まとめ]エリブリンは,重篤な副作用が少なく外来化学療法の継続が可能であり,軟部肉腫に対する2ndラインまたは3rdラインの治療剤として有用と考えた.