整形外科と災害外科
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多数の米粒体を含んだリウマチ性肩峰下滑液包炎の1例
松永 英人緒方 宏臣山下 武士川谷 洋右竹村 健一今村 悠哉坂本 圭米村 憲輔
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2018 年 67 巻 4 号 p. 703-705

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抄録

【はじめに】我々は肩峰下滑液包内に多数の米粒体を有する比較的稀なリウマチ性肩峰下滑液包炎の1例を経験したので報告する.【症例】69歳,男性.6年前より関節リウマチの診断にて,内服加療をされていたが自己中断していた.2ヶ月前より続く右肩の疼痛,腫脹,可動域制限のために当科再診となった.MRIではT2強調画像,脂肪抑制画像にて滑液包部の高信号と多数の低信号結節像を認めた.鏡視所見では,肩甲上腕関節内に著明な滑膜の増生を認め,肩峰下滑液包内に滑膜の増生と多数の米粒体を認めた.滑膜切除術と米粒体の除去術を施行した.術後1ヶ月が経過し,右肩の疼痛はなく,可動域も保たれ,局所再発は認めていない.【考察】MRI画像の鑑別診断としては,滑膜性骨軟骨腫,びまん型巨細胞腫,軟部腫瘍などがあげられるが,MRI所見のみで鑑別することは難しい.本症例では関節鏡視下に米流体を観察,採取し,病理組織学的に確定診断を得ることができた.

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© 2018 西日本整形・災害外科学会
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