整形外科と災害外科
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初期固定にEnder釘が有用であった開放性上腕骨骨幹部分節骨折の一例
柴田 達也尾上 英俊中村 厚彦
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2019 年 68 巻 1 号 p. 117-120

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抄録

初期固定にEnder釘が有用であった開放性上腕骨骨幹部分節骨折の一例を経験した.【症例】33歳男性,軽自動車で走行中に雨でスリップし,車内で右上半身を強打し受傷した.右肩前面に約10cmの開放創と上腕前面に広範囲の挫滅創があり,単純X線で右上腕骨の骨幹部分節骨折と遠位端骨折を認めた.同日は開放創の洗浄処置を行い,翌日に再洗浄と遠位端骨折に対するplate固定,分節骨折に対してEnder釘を用いた初期固定を行った.開放創は順調に閉鎖したが,挫滅創は上皮化するのに約3ヶ月を要した.その後,分節骨折に対してLCP narrow plateを用いた二期固定を行い,6ヶ月で骨癒合し良好な肩関節可動域を獲得した.【結語】初期固定にEnder釘を用いることで,感染を起こすことなく上腕骨のアライメントと長さを保持し,肩関節のROM訓練を行うことができた.

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© 2019 西日本整形・災害外科学会
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