整形外科と災害外科
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ARISTO Proximal Humeral Nailを使用した上腕骨近位部骨折の治療経験
古荘 裕司力丸 悠米田 高太郎半仁田 勉
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2020 年 69 巻 1 号 p. 66-67

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抄録

【はじめに】ARISTO proximal humeral nail(以下ARISTO)は,日本MDM社が日本人の骨格データに基づいて設計した直線型の髄内釘であり,当院でARISTOを使用開始した2017年8月より2019年6月現在までに上腕骨近位部骨折に対する骨接合術においてARISTOを使用した27例27肩(男性6例/女性21例)について,最終観察時の肩関節JOAスコアおよび肩関節の自動挙上角度,合併症の有無を調査し,その術後成績について評価検討した結果,最終観察時の肩関節JOAスコアは100点満点で平均54.0点,肩関節の自動挙上角度は平均98.7度であり,合併症を来した症例はみられなかった.術後のADLや合併症に大きく影響する術中整復や手術手技の精度が重要となるが,近年は上腕骨近位部骨折に対する髄内釘の適応拡大も目覚ましく,初期固定性や安定性に大きく期待できるARISTOも本骨折に対する有用な内固定材であると考える.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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