整形外科と災害外科
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病巣掻爬後に悪性骨腫瘍と診断された5例についての検討
石田 彩乃藤原 稔史薛 宇孝遠藤 誠松本 嘉寛松延 知哉石原 新小田 義直中島 康晴
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キーワード: 悪性骨腫瘍, 掻爬, 生検
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2020 年 69 巻 1 号 p. 68-70

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抄録

【背景】良性骨病変の診断で病巣掻爬後に悪性骨腫瘍と分かる場合が稀にあり,追加治療が必要となる.今回我々は当科で経験した5例を報告する.【対象・方法】2011~18年に針生検にて良性骨病変の診断で,病巣掻爬後に悪性骨腫瘍と診断された症例を対象とした.症例数は男性2例,女性3例,診断時平均年齢は29歳で,術前・術後の病理診断,腫瘍の発生部位,治療内容,Follow up期間,転移の有無,最終転帰などを調べた.【結果】発生部位は脛骨2例・上腕骨2例・大腿骨1例と全て長管骨で,全例掻爬前に切開生検を行っており,術前(術後)診断は骨髄炎2例(Ewing肉腫・小円型細胞肉腫),良性骨腫瘍1例(平滑筋肉腫),骨芽細胞腫1例・骨巨細胞腫1例(骨肉腫)であった.4例に追加化学療法,4例に追加広範切除を行った.当科初診日から1例は0.3年でDOD,4例は平均2.7年経過し,CDFであった.【考察】悪性と診断後,早急に適切な追加治療を行うことで根治の可能性がある.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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