整形外科と災害外科
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椎体骨折に合併した脊椎硬膜下血腫の2例
金山 博成坂井 宏旭河野 修前田 健
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2020 年 69 巻 1 号 p. 76-79

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抄録

【はじめに】脊椎外傷後における脊椎硬膜外血腫の報告は散見されるが,脊椎硬膜下血腫の報告は少ない.今回,椎体骨折に合併した脊椎硬膜下血腫を2例経験したので報告する.【症例提示】症例1:72歳,男性.症例2:85歳,女性.いずれも第12胸椎椎体骨折.進行性の両下肢麻痺出現,MRIにて脊柱管内に血腫を認め,胸腰椎除圧固定術施行.硬膜外腔に血腫は認めず,硬膜下腔に血腫を認めた.【考察】一般的に脊椎硬膜下血腫および硬膜外血腫にはそれぞれ特徴的なMRI画像所見がある.硬膜下血腫:三角型,脊髄の腹側,広範囲.硬膜外血腫:両凸型,脊髄の背側,限局型.手術方法に大きな違いがあるため,両者の鑑別は非常に重要であるが,今回の2症例は硬膜外血腫を疑う画像所見であり,画像のみでは鑑別不能な可能性がある.脊柱管内に血腫を認めた場合,硬膜外,硬膜下どちらも念頭に置いて手術に臨まなければならない.

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© 2020 西日本整形・災害外科学会
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