整形外科と災害外科
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上・下肢骨折同時受傷例の検討
赤瀬 広弥北村 歳男生田 拓也沼田 有生小禄 純平
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2021 年 70 巻 2 号 p. 301-303

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抄録

【目的】高齢化社会を背景に上・下肢骨折同時受傷例が近年散見される.上・下肢骨折同時受傷例の特徴と傾向を検討した.【対象と方法】2011年1月から2019年6月の間に当院で入院加療を行った手指,足趾を除く上・下肢骨折同時受傷例49例(男性9例,女性40例)を対象とした.【結果】受傷時年齢の中央値は82歳であった.骨折の組み合わせは大腿骨近位部骨折・橈骨遠位端骨折(45%),次いで大腿骨近位部骨折・上腕骨近位端骨折(18%)の順に多く見られた.同側受傷が42例,対側受傷が7例であった.同側例では右側が16例,左側が26例と左側に多く見られた.それぞれの受傷機転については,同側例では34例(81%)が立位からの転倒.対側例では立位からの転倒は1例(14%)と少なく,3例(43%)が側溝・用水路への転落であった.【結語】上・下肢骨折同時受傷は高齢者に多くみられた.同側受傷,対側受傷では受傷機転に相違を認めた.

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© 2021 西日本整形・災害外科学会
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