整形外科と災害外科
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矢状面における膝関節の解剖学的バリエーションと,その影響
長嶺 隆二川崎 展勝呂 徹
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2021 年 70 巻 3 号 p. 367-373

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抄録

【目的】矢状面における膝の解剖学的バリエーションを明確にし,人工膝関節置換術のコンポーネント設置への影響を検討した.【方法】膝側面レントゲン像にて大腿骨・脛骨・膝蓋骨において16個の指標を計測し,各指標間での相関を調査した.【結果】脛骨顆部は後方回転にて関節面の後方傾斜を持ち,また,顆部後方回転角度は膝蓋骨の長さ,Insall-Salvati ratio,脛骨粗面からの脛骨および大腿骨関節面の位置,膝蓋骨および膝蓋腱の屈曲角度と相関を示した.また,大腿骨遠位で骨幹端は骨幹に対して屈曲し,骨端は骨幹端に対して伸展していた.【考察】顆部後方回転により脛骨関節面は後方・遠位へ偏位し,その結果,大腿骨関節面および膝蓋骨も後方・遠位へ偏位した.TKAにおいては,解剖学的バリエーションは大腿骨および脛骨コンポーネントのアライメントに影響を与える事が明確となった.

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© 2021 西日本整形・災害外科学会
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