2022 年 71 巻 4 号 p. 845-848
2018年1月~12月に当院で大腿骨近位部骨折(本骨折)に対し手術加療を行い,本研究に同意した98例(男性17例,女性82例)を対象とし,術後1年での日常生活動作(立ち上がり動作・更衣)へ影響を及ぼす因子について調査した.約半数の症例で術後1年における日常生活動作は維持されていた.また術後1年で新たに施設へ入所となった症例の特徴として,Body Mass Index低値,認知機能低下などが明らかとなった.従って,本骨折症例に対し,従来の身体機能に関するリハビリテーションに加え,栄養面や認知機能訓練など多方面から介入することにより,日常生活動作の維持や在宅復帰に繋がる可能性が示唆された.