整形外科と災害外科
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高位脛骨骨切り術後感染に対しStaged managementにより矯正損失なく感染沈静化が得られた1例
中尾 公勇中添 悠介宮本 俊之田口 憲士米倉 暁彦岡崎 成弘尾﨑 誠
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2023 年 72 巻 2 号 p. 201-205

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抄録

【はじめに】開大型高位脛骨骨切り術(Open wedge high tibial osteotomy, 以下OWHTO)後感染に対して矯正角を保ったまま感染沈静化が得られた症例を経験したので報告する.【症例】60代男性.他院で変形性膝関節症に対してOWHTOを施行.術後早期から手術創の発赤を認め,症状改善なく術後5週に当科紹介となった.脛骨近位内側の手術創感染に加えヒンジ骨折(type 3)が原因と考えられる化膿性膝関節炎を併発し,関節穿刺液から黄色ブドウ球菌を検出した.インプラント温存は不可能と判断し,Masquelet法に準じる軟部組織再建を併用したStaged managementによる治療を行い,矯正角を保ったまま感染沈静化が得られた.【考察】OWHTO術後感染は1~5% 程度発生するとされ,沈静化が得られても機能障害や矯正損失が問題となることが多い.術後感染に対して,早期発見と迅速な対応,及び治療戦略が重要と考えられた.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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