整形外科と災害外科
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Opening Wedge Tibial Osteotomyにおける脛骨粗面の切り方の違いによる術後骨形成の検討
森 達哉河野 勤田代 泰隆加治 浩三鬼塚 俊宏今村 寿宏松延 知哉花田 麻須大平本 貴義三浦 裕正
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2023 年 72 巻 2 号 p. 215-217

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抄録

【目的】高位脛骨骨切り術において,膝蓋骨低位による膝蓋大腿関節症を懸念し,脛骨粗面を遠位に切り下げるOWDTOの報告が散見される.今回,脛骨粗面の切り方の違いによる術後骨形成について検討した.【方法】対象は,演者執刀の高位脛骨骨切り術44例で,OWDTO(以下D群)21例,近位切り上げのOWHTO(以下H群)23例である.検討項目はアライメント評価,後傾角度,術前後膝蓋骨高,脛骨粗面の厚さ,骨形成時期とした.【結果】術後後傾角度はD群10度,P群7.9度とD群で有意に大きかった.膝蓋骨高は術前後の変化においてH群で有意に低位になっていた.脛骨粗面の厚さは,D群14.9 mm,H群11.1 mmと有意にD群で厚かった.骨形成時期について,D群5.4ヶ月,H群3.9ヶ月と有意にH群が早かった.【考察】OWDTOは,膝蓋骨低位を防ぐ有用な方法であるが,脛骨粗面が厚く,後傾角度が大きくなりやすくなり,骨形成がOWHTOに比較すると遅くなる可能性が示唆された.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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