整形外科と災害外科
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75歳以上の特発性膝骨壊死に対する高位脛骨骨切り術の関節鏡評価と臨床成績
小無田 航中添 悠介米倉 暁彦岡崎 成弘磯部 優作尾﨑 誠
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2023 年 72 巻 3 号 p. 368-372

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抄録

【はじめに】内側楔状開大式高位脛骨骨切り術(OWHTO)は変形性膝関節症や特発性膝骨壊死(SONK)に対する手術方法として確立している.今回我々は高齢者のSONKに対するOWHTOの成績を評価した.【対象と方法】2015年から2020年にSONKに対し膝関節鏡下の骨壊死部掻爬とOWHTOを行った症例のうち,手術時年齢が75歳以上であった7例7膝を対象とした.関節鏡所見をOWHTO時とプレート抜去術時に評価し,臨床成績を日本整形外科学会(JOA)スコアとKnee injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS)を用いてOWHTO術前と術後1年に評価した.【結果】7例中6例で再鏡視を行い,全例で良好な軟骨様組織による被覆を認めた.JOAスコアは平均60.7から83.6へ,KOOSも全ての下位項目で改善を認め,特にpainが平均50.9から80.9へ,symptomが平均50.0から77.6へと改善した.【結語】SONKに対するOWHTOにより,高齢者であっても壊死部の軟骨様組織による修復が得られ,臨床成績も良好であった.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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